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2026/02/18
相続
「相続登記に間に合わない…」ときの相続人申告登記とは?要件・手続き・必要書類・注意点を司法書士が解説

最初に結論

遺産分割がまとまらない/戸籍が揃わないなら

「相続人申告登記」で“期限リスク”をいったん止められます。

相続人申告登記とは?

相続登記は原則「取得を知った日から3年以内」に申請が義務です。
正当な理由なく放置すると過料の対象になり得ます。

しかし、様々な理由(遺産分割がまとまらない、相続人が多い、戸籍が複雑で間に合わないなど)で、3年の期限内に相続登記の申請をすることが難しい場合があります。

このような場合に、義務違反リスクをいったん回避できる制度として、「相続人申告登記(相続人である旨の申出)」が新たに設けられました。

最終的には、相続登記は必要です

なお、相続人申告登記は、簡易に義務を履行することができる一方で、 “最終的な名義変更(相続登記)そのもの”ではありません。落ち着いたら、別途、相続登記を進める必要があります。

この記事でわかること

・相続人申告登記とは何か(相続登記との違い)

・どんな人が使うべきか(典型ケース)

・必要書類と申出の流れ(最短で迷わない手順)

・やりがちな落とし穴(やったのに安心できないポイント)

・川口エリアでの相談先・進め方の考え方

相続人申告登記とは(相続登記との違い)

相続登記

・不動産の名義を、相続人へ移す手続き(所有者が登記上も切り替わる)

・遺産分割協議書など、「誰が取得するか」まで確定した書類が必要

相続人申告登記(期限対策の“安全対策”)

・「私は登記名義人の相続人です」という申出をする制度

・遺産分割が未了でも申出は可能(ケースによる)

・目的は、相続登記義務(期限)に“間に合わない”問題をいったん回避すること

最終的には相続登記が必要に!

相続人申告登記をしても、不動産を売る・担保に入れる等の手続きを進めることはできません。最終的には相続登記(名義変更)が必要です。

こんなときは相続人申告登記を検討(典型パターン)

次のようなケースは、相続登記の準備が期限に間に合わないことが多いです。

・遺産分割協議がまとまらない(揉めている/連絡が取れない)

・相続人が多い(代襲・数次相続で枝分かれ)

・戸籍の収集に時間がかかる(本籍が転々としている/古い戸籍が多い)

・遠方在住で平日に動けない/仕事で動けない

・不動産が複数あり、整理だけで数か月かかる

「まず期限だけ止めたい」という局面で、相続人申告登記は有効です。

【重要】期限はいつまで?

相続登記の義務:原則「不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内」

施行前(2024/4/1より前)の相続も義務化対象で、政府広報では2027/3/31までに対応が必要な点が案内されています(状況により起算点が異なるため個別判断が必要)。

実務上のポイント

「いつ知ったか」「誰が取得したか」で期限の数え方が変わり得ます。

不安なら、早めに専門家へ確認するのが安全です。

相続人申告登記の必要書類(基本セット)

法務省の案内・様式で、申出に必要な添付情報が整理されています。

一般に押さえるのは次の3点です(ケースで追加があります)。

・相続人申出書(所定様式)

・申出人が相続人であることを証する情報(戸籍等)

・住所証明情報(住民票等)(様式上「住所証明情報」が必要とされています)

申出人の証明は必須事項

※相続登記ほど「全相続人を確定する戸籍一式」まで求められないケースがありますが、申出人が相続人であることの証明は必須です。

手続きの流れ(迷わない最短手順)

1)対象不動産を特定する

固定資産税の課税明細、登記事項証明書、納税通知書などで「所在地・地番/家屋番号」を確認(申出書には不動産の表示や不動産番号を記載する欄があります)

2)申出書を作成する

法務省の様式を使って記入

記載例も公開されています(記入ミスが最も多い工程)

3)添付書類(戸籍・住所証明等)を揃える

「相続人である証明」と「住所証明」が軸

4)管轄の法務局へ申出(窓口/郵送など)

相続関連の手続案内は予約制の場合が多いので、事前確認が安全です。

【川口エリアの実務メモ】どこに相談・申出する?

川口市・蕨市・戸田市エリアの不動産は、基本的にさいたま地方法務局 川口出張所が管轄です(詳細は個別不動産で要確認)。登記手続案内は予約制での実施が案内されています。

早目の準備が安心!

※「自分のケースで、どこが管轄か不安」「予約の取り方が分からない」という段階で止まりやすいので、早めに確認しましょう。

よくある落とし穴(ここでトラブルになります)

落とし穴1:申告登記をしたから“名義変更が終わった”と思い込む

相続人申告登記は、あくまで「相続人である旨の申出」です。

最終的に不動産の名義を移すには、相続登記が必要になります。

落とし穴2:不動産の特定が曖昧で差し戻し

地番・家屋番号の誤り、対象不動産の漏れは頻発します。

申出書は不動産の表示等の記載が前提です。

落とし穴3:戸籍が途中で止まり、期限も迫る

「出生から死亡まで」まで揃える相続登記と違い、申告登記は要件が軽い場合がある一方、相続人である証明(戸籍等)は必須です。

早めに手を付けないと、結局間に合いません。

よくあるご質問【FAQ】

Q. 相続人申告登記をすれば、相続登記の義務は完全にクリアできますか?

A. 期限リスクをいったん回避するための制度ですが、最終的な名義変更(相続登記)が不要になるわけではありません。

Q. 遺産分割がまとまっていません。それでもできますか?

A. 「期限に間に合わない」という局面で使われる制度として創設されています。具体的に可能かは事案次第なので、必要書類と併せて確認しましょう。

Q. 相続人申告登記は「相続人のうち1人だけ」でもできますか?

A. 申出は相続人ごとに行う仕組みで、相続人の一部だけが先に申出をすることも想定されています。ただし、申出をした人が「相続人であること」を示す資料は必要です。状況によって添付書類や確認事項が変わるため、事前に整理して進めるのが安全です。

Q. 相続人申告登記に費用(登録免許税)はかかりますか?

A. 相続人申告登記そのものは、相続登記のように登録免許税が発生する手続きではありませんので、非課税です。ただし、戸籍・住民票・登記事項証明書などの取得費用や郵送費は別途かかります。

Q. 申告登記をした後、いつまでに「相続登記」をすればいいですか?

A. いつまでとの期限はありませんが、相続人申告登記は“最終的な名義変更”ではないため、遺産分割などが整い次第なるべく早めに、相続登記を行いましょう。

Q. 2024年4月1日より前の相続でも対象ですか?

A. 対象です。

政府広報でも、施行前の相続について期限の注意喚起があります。

司法書士に相談した方が早いケース

 

・相続人が多い/数次相続・代襲が絡む

・不動産が複数あり、漏れが怖い

・期限が迫っている(まず“止血”が必要)

・相続登記まで見据えて、書類を最短で整えたい

 

相続人申告登記は「急場をしのぐ」制度として非常に有用ですが、根本的な解決になりません。遺産分割協議を早めに成立させて、相続登記を行うことをお勧めします。

制度選択を誤ると、時間もお金も二重にかかります。

川口・蕨・戸田エリアの相続登記は、地域事情も含めて整理が早いです。

状況を伺い、最短ルートをご提案させていただきます。お悩みの際はお気軽にご相談ください。

斉藤 恭生

司法書士・行政書士 斉藤 恭生(さいとう やすお)
斉藤司法書士事務所 代表

【ご挨拶】

司法書士という仕事は、ミスが許されないため常に緻密な確認が求められ、緊張する場面に立ち会うことも少なくありません。だからこそ日々の仕事を大切に、誠実に、そして常に新鮮な気持ちを持って取り組んでいます。 川口市を中心に、周辺地域の皆様とのコミュニケーションを大切にし、その信頼にお応えしたいと考えています。相続に関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

【経歴】

  • 埼玉県立蕨高等学校 卒業
  • 法政大学法学部法律学科 卒業
  • 2001年 行政書士試験合格
  • 2002年 司法書士試験合格
  • 都内法律事務所内での開業を経て、2006年に父の事務所と合流し、川口市に事務所を移転。

【資格・所属】

  • 司法書士(埼玉司法書士会 登録番号 第1056号)
  • 簡裁訴訟代理関係業務認定(認定番号 第201041号)
  • 行政書士(埼玉行政書士会 登録番号 第02132747号)

斉藤司法書士事務所

〒332-0032 埼玉県川口市中青木2丁目22番3号
(川口簡易裁判所の横、川口登記所の前)

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