
「もしもの時に、家族に争ってほしくない」
「自分の財産を、希望通りに引き継ぎたい」
そうお考えの方にとって、遺言書は非常に重要な役割を果たします。
とはいえ、何から手をつけていいか分からないし、縁起でもない、と後回しにしていませんか?
「どんな種類があるの?」
「自分で書いても大丈夫?」
「費用はどれくらいかかるの?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、川口市にお住まいの皆様に向けて、相続の専門家である司法書士が、遺言書の基本的な知識から、後悔しないための選び方、作成のポイント、そして専門家への相談で得られる安心感までを徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたにとって最適な遺言書の種類が見つかり、安心して次の一歩を踏み出せるはずです。
目次

遺言書は、残された家族がスムーズに相続手続きを進め、余計な争いを避けるための「道しるべ」です。
遺言書がない場合、誰がどの財産を相続するかは、相続人全員での話し合い(遺産分割協議)で決めなければなりません。たとえ仲が良い家族であっても、いざ財産が絡むと意見の食い違いが生じ、感情的な対立に発展するケースは少なくありません。
・相続人の配偶者など、直接の当事者である相続人以外の方の参戦
・相続人の一部が海外在住
・相続人の一部が音信不通
・相続人の中に未成年者がいる
・相続人の一部に意思能力が無い
・相続人の1人が死亡してしまった(数次相続の発生)
・先妻・先夫の子供など、未知の相続人の出現
・遺産の中に自社の株式が含まれており、営業方針で揉めている
「長男だから実家を継ぐべきだ」「いや、最後まで親の介護をした私が多くもらうべきだ」といった主張がぶつかり合うことも。最終的に家庭裁判所での調停や審判にまで発展する事例も、残念ながら増加傾向にあります。
川口市は都心へのアクセスも良く、近年不動産価値が上昇傾向にあるため、ご自宅の評価額がご家族の想定より高く、かえって分割で揉めてしまうケースが少なくありません。
遺言書があれば、ご自身の意思を明確に示し、このような家族間のトラブルを未然に防ぐことができます。
「長年連れ添った妻に多くの財産を残したい」「介護してくれた長女に多めに分けたい」といった、法定相続分とは異なる希望を叶えられます。
「お世話になった友人や団体に財産を贈りたい」といった、法定相続人以外の方への財産承継も可能です。
会社を経営されている方の場合、後継者にスムーズに事業を引き継ぐための重要なツールとなります。
このように、遺言書は単なる財産分配の指示書ではなく、残された家族への最後のメッセージであり、感謝の形でもあるのです。

遺言書には主に3つの種類があります。
それぞれの特徴を理解し、ご自身に合ったものを選びましょう。
その名の通り、全文・日付・氏名をすべてご自身で手書きし、押印して作成する遺言書です。
最も費用を抑えて作成できます。
誰にも知られず、ご自身の都合の良い時にいつでも作成・修正できます。
法律で定められた厳格な形式(全文自筆、日付、署名、押印など)を一つでも欠くと、せっかく書いた遺言書が無効になってしまいます。
財産の指定が曖昧であったり、遺留分を侵害したりして、後々トラブルになるケースがあります。
ご自宅で保管している場合、火災や災害で失われたり、誰かに発見されて隠されたり、改ざんされたりする心配があります。
斉藤司法書士事務所に依頼していただければ、手続きに問題はありませんが、家庭裁判所での検認手続きに2~3ヶ月時間を要することがあります。
自筆証書遺言を法務局で預かってもらう制度です。
これにより紛失や隠匿のリスクは大幅に減り、家庭裁判所での「検認」も不要になるという大きなメリットがあります。
しかし、法務局はあくまで形式が整っているかを確認するだけで、内容が法的に有効か、相続トラブルを招かないかまではチェックしてくれません。内容の不備によるトラブルのリスクは残ったままです。
公証役場で、法律の専門家である公証人が、ご本人と証人2人以上の立会いのもと作成する遺言書です。
法律のプロである公証人が内容を確認しながら作成するため、形式や内容の不備で無効になる心配はほぼありません。
ご家族が紛失したり、誰かに改ざんされたりする心配がありません。
相続が始まった後、ご家族はすぐに相続手続きを始めることができます。
公証人が聞き取って作成するため、安心してご自身の意思を遺せます。病院に出張も行います。
この後の章で、公正証書遺言を作成する際の費用や流れを具体的に解説します。
内容を秘密にしたまま、公証人と証人が遺言書の存在を証明する遺言書です。
内容の不備で無効になるリスクがあるため、利用頻度は高くありません。
どうしても内容を秘匿したい事情があり、かつ司法書士などの専門家が内容を厳格にレビューする体制がある場合などに限定的に選択されることがあります。
| 比較項目 | ① 自筆証書遺言 | ② 公正証書遺言 | ③ 秘密証書遺言 |
|---|---|---|---|
| 作成方法 | 全文・日付・氏名を自分で手書きし、押印する。 | 公証役場で、公証人と証人2名以上の立会いのもと作成する。 | 内容を秘密にしたまま、公証人と証人が遺言書の存在を証明してもらう。 |
| 費用 | 原則として費用はかからない。 | 公証人手数料や専門家報酬などで数万円から。 | 公証人手数料などがかかる。 |
| 安全性 | 方式不備で無効になる、内容が原因で争いになる、紛失や偽造のリスクがある。 | 専門家が作成するため無効になる心配がほぼなく、原本が公証役場に保管されるため紛失・偽造の心配もない。 | 内容の不備で無効になるリスクがあり、利用頻度は高くない。 |
| 相続開始後の手続き | 家庭裁判所での「検認」が必要(法務局保管制度利用時を除く)。 | 家庭裁判所での「検認」が不要で、手続きがスムーズ。 | 家庭裁判所での「検認」が必要。 |
| こんな方へ | 費用をかけず手軽に作成・修正したい方。 | 最も安全で確実な方法を望み、家族の負担を減らしたい方。 | 内容を秘密にしつつ、遺言書の存在は証明しておきたい特殊な事情がある方。 |

せっかく遺言書を作成しても、後で家族が揉めたり、無効になったりしては意味がありません。以下のポイントを押さえましょう。
「自宅の土地建物を長男に」という書き方では不十分です。不動産なら所在・地番・家屋番号まで、預貯金なら金融機関名・支店名・口座番号まで正確に記載しましょう。
遺言の内容(預貯金の解約や不動産の名義変更など)を実現する手続きを行う人を「遺言執行者」といいます。あらかじめ指定しておくことで、相続手続きが非常にスムーズに進みます。信頼できる親族や、専門家である司法書士を指定するのが一般的です。
「なぜこのような分け方にしたのか」「家族への感謝の気持ち」などを書き添えることで、相続人が遺言内容に納得しやすくなり、争いを防ぎ、円満な相続に繋がりやすくなります。
兄弟姉妹以外の相続人には、法律で最低限保障された財産の取り分「遺留分」があります。遺留分にも配慮した内容にすることで、後のトラブルを予防できます。
家族構成や財産状況は変化します。状況の変化に合わせて、定期的に遺言書の内容を見直しましょう。

法律的な効力はありませんが、ご自身の言葉で「なぜこのような分け方にしたのか」という理由や、家族への感謝の気持ちを書き添えることで、相続が「争続」になるのを防ぐ大きな力になります 。
ここでは、よくあるケースを想定した3つの文例をご紹介します。
愛する妻、花子へ。
50年間、いつも笑顔でそばにいてくれて本当にありがとう。あなたと歩んだ人生は、私の最高の宝物です。 私が先に旅立つことになりますが、あなたがこれからも安心して、思い出の詰まったこの家で暮らし続けられるように、自宅不動産と預貯金の大部分をあなたに遺します。
子供たちへ。 お前たちのことも心から愛しています。お前たちに残す財産が少なくなることを許してください。どうか、これからはお母さんのことを支えてあげてほしい。 家族みんなが仲良く、幸せに暮らしてくれることが、私の最後の願いです。
特定の相続人に多くの財産を遺す場合、他の相続人への配慮の言葉を添えることが非常に重要です 。感謝の気持ちと共に、その決断に至った理由を誠実に伝えることで、他の家族も納得しやすくなります。
長男の太郎、長女の良子、二男の次郎へ。
みんな私の大切な子供たちです。財産は皆に平等に分けたいとずっと思っていました。 しかし、私が病気がちになってからの最後の5年間、長女の良子が仕事の合間を縫って献身的に介護をしてくれたことには、感謝しかありません。良子の支えがなければ、自宅で穏やかな最期を迎えることはできなかったでしょう。
その感謝の気持ちとして、良子に少し多めに財産を遺すことにしました。 太郎と次郎も、どうか私のこの想いを理解してください。これからも兄弟仲良く、助け合って生きていってくれることを心から願っています。
相続分に差を設ける場合、その客観的な理由(介護など)を具体的に記すことで、他の相続人の理解を得やすくなります。「感謝」という言葉を明確に使うことで、遺言が温かいメッセージとして伝わります。
私の兄弟姉妹へ。
私たち夫婦には子供がいませんでしたが、兄さんの娘である由美さんが、実の娘のように私たちを気遣い、頻繁に顔を見せてくれたことは、何よりの喜びでした。 そこで、私たちの感謝の気持ちとして、財産の一部を由美さんに遺贈することにしました 。
どうか、私たちのこの想いを汲んで、手続きに協力してくれるようお願いします。皆がこれからも健やかであることを祈っています。
相続人以外の人に財産を遺す「遺贈」は、特に理由の説明が重要です。なぜその人に財産を遺したいのか、具体的なエピソードを交えて伝えることで、親族間の無用な憶測やトラブルを防ぐことができます。

概ね以下の通りですが、斉藤司法書士事務所にご依頼いただければ、内容の相談から作成までスムーズに手続きを進めることができます。
まずはお気軽にご相談下さい。
「費用がかかる」と言っても、具体的にどのような費用が必要なのでしょうか。以下が一般的な内訳です。
| 費用の種類 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 公証人手数料 | 財産の価額に応じて法律で定められている実費 | 数万円~ |
| 証人日当 | 証人2名に支払う日当(司法書士がなる場合) | 1名あたり1万円程度 |
| 書類取得実費 | 戸籍謄本や固定資産評価証明書などの取得費用 | 数千円~ |
| 司法書士報酬 | 遺言内容のコンサルティング、書類作成、公証人との調整など | 事務所による |
| 作成期間の目安 | ご相談から作成完了まで | 2週間~1ヶ月程度 |
公正証書遺言を作成する際には、以下のような書類が必要になります。
ご自身で集めるのは大変なものも多いため、司法書士にご依頼いただくのがスムーズです。
【公正証書遺言の作成に必要な書類チェックリスト】
とはいえ、「自分の財産だと、総額はいくらになるの?」とご不安に思われるかもしれません。川口市でご相談の多い2つのモデルケースの概算費用をご紹介します。
※上記はあくまで一例です。
財産内容や相続人の数によって変動します。あなたのケースでの正確なお見積りは無料相談にてご提示しますので、お気軽にお問い合わせください。

斉藤司法書士事務所にご相談いただくことで、遺言書作成に関するあらゆる不安を解消し、確実な安心を手に入れることができます。
お客様の想いを丁寧にお伺いし、最も適した遺言書の種類や内容をアドバイスします。
無効になるリスクを回避し、遺留分に関するご相談にも応じます。
公証人との打ち合わせ代行、必要書類の収集、証人の手配まで、面倒な手続きをすべてお任せいただけます。
川口公証役場(川口駅東口徒歩3分)との連携もスムーズです。公証人との煩雑な打ち合わせや日程調整はすべて当事務所が代行しますので、お客様が何度も足を運ぶ必要はありません。
ご家族同席でのご説明や、遺言内容をご理解いただくためのサポートも可能です。
「どのような遺言書にすべきか分からない」「自分で書くのは不安」「公証役場の手続きが面倒」 とお考えの方は、ぜひ一度、相続の専門家である私たち斉藤司法書士事務所にご相談ください。

A. 「確実性」と「残されたご家族の手間」が大きな決め手です。自筆証書遺言は無効になるリスクや、紛失のリスク、ご家族が検認手続き(法務局保管制度利用時を除く)をする手間がかかります。公正証書遺言は、これらのリスクや手間がほぼなく、ご自身の意思を確実に実現し、ご家族の負担を最も軽減できる方法です。
A. いいえ、チェックされません。法務局はあくまで形式(日付があるか、署名があるか等)を確認するだけで、遺言の内容が法的に有効か、後でトラブルにならないかといった点までは一切確認しません。検認が不要になるメリットはありますが、内容に関するリスクは残ります。
A. いいえ、推定相続人や受遺者など、遺言内容に利害関係のある人は証人になれません。信頼できる第三者に依頼する必要があります。誰に頼めばいいか分からない場合は、守秘義務のある司法書士が証人となることも可能ですので、安心してご相談ください。
A. はい、いつでも変更・撤回が可能です。新しく、日付の新しい遺言書を作成することで、古い遺言書の内容を撤回したことになります。ご自身の財産状況や家族構成の変化に合わせて、定期的に見直すことが大切です。
A. ペットは法律上「モノ」扱いのため、直接財産を相続させることはできません。しかし、「ペットの世話をしてくれること」を条件に、信頼できるご親族やご友人に財産を遺す「負担付遺贈」という方法があります。こうした特殊なご要望も、ぜひご相談ください。

遺言書は、残されるご家族への最後の贈り物であり、感謝のメッセージです。早めに、そして確実な方法で準備しておくことで、ご自身も、そしてご家族も安心して未来を迎えることができます。
川口市で遺言書作成についてお悩みでしたら、初回無料相談をご活用ください。
『専門用語ばかりで難しくて分からない』といったことがないよう、お客様の立場に立った丁寧なご説明」と「迅速な手続き」を信条としております。
斉藤司法書士事務所が、お客様の想いを形にするお手伝いをさせていただきます。
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