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2026/03/17
成年後見
【川口市版】相続人に認知症の方がいるとき、 遺産分割協議や相続登記はどう進める? 成年後見が必要なケース

「母も相続人の一人だけれど、認知症が進んでいて話し合いが難しい…」

「実家の相続登記をしたいのに、家族だけで進めてよいのか分からない…」

このようなお悩みは、川口市でも少なくありません。

ご家族のことだからこそ、何とか身内だけで進めたいと思われるのは自然なことです。しかし、相続人の中に判断能力が十分でない方がいる場合、通常どおり遺産分割協議をしてしまうと、後からその協議の有効性が問題になることがあります。

また、不動産がある場合には、相続登記の期限も意識しなければなりません。相続登記は2024年4月1日から義務化され、原則として相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請が必要です。

ご安心ください。相続人に認知症の方がいても、相続手続きがまったくできなくなるわけではありません。大切なのは、そのまま遺産分割協議をしてよいケースなのか、成年後見などを検討すべきケースなのかを、最初にきちんと整理することです。

この記事では、川口市・蕨市・戸田市で相続手続きを進める方に向けて、次のポイントをできるだけ分かりやすく解説します。

  • 認知症の相続人がいると、なぜ遺産分割協議が止まりやすいのか
  • 成年後見が必要になりやすいケース
  • 相続登記を期限内に進めるための考え方

なお、川口市・蕨市・戸田市に住所がある方の成年後見等の申立先は、さいたま家庭裁判所本庁です。

最初に結論


まず押さえておきたいポイント

  • 相続人の中に、遺産分割の内容を理解して判断することが難しい方がいる場合、そのまま遺産分割協議を進めるのは危険です。後で無効を争われたり、登記や金融機関の手続きが止まったりするおそれがあります。
  • 「認知症=必ず成年後見」ではありません。実務上は「成年後見」とまとめて言われがちですが、実際には後見・保佐・補助に分かれ、判断能力の程度によって使う制度が異なります。
  • 不動産がある場合は、相続登記の期限にも注意が必要です。遺産分割がすぐできない場合でも、法定相続分での登記や相続人申告登記など、先に検討できる方法があります。
  • 本人住所地が川口市・蕨市・戸田市であれば、成年後見等の申立先はさいたま家庭裁判所本庁です。

なぜ、相続人に認知症の方がいると遺産分割協議が止まるのか


遺産分割協議は、相続人全員で「誰がどの財産を相続するか」を決める大切な法律手続きです。そのため、相続人の一人でも、協議の内容を理解して判断することが難しい状態であれば、有効な合意ができていないと判断される可能性があります。

よくあるのが、次のような誤解です。

  • 長男が同居しているから、そのまま代わりに進めればよいのでは
  • 家族が実印を預かっているから押印できるのでは

しかし、家族だからといって、当然に本人の代わりに遺産分割協議をしたり、署名押印したりできるわけではありません。相続は大切な財産に関わる手続きですので、ご本人の権利を守るためにも、法的に適切な方法で進める必要があります。

「認知症=必ず成年後見」ではありません


ここは、とても大切なポイントです。

ご相談の中では、「認知症と診断されていたら、必ず成年後見をつけないといけませんか?」と聞かれることがあります。

ただ、実際にはそう単純ではありません。家庭裁判所の手引きでは、判断能力の程度に応じて、次のように整理されています。

後見

判断能力が欠けているのが通常の状態の場合です。後見人は、日常生活に関する行為を除く多くの法律行為について、本人を代理したり取り消したりすることができます。

保佐

判断能力が著しく不十分な場合です。保佐人の同意が必要となる法律行為があり、必要に応じて代理権を付けることも検討されます。

補助

判断能力が不十分な場合です。本人の同意のもと、必要な範囲で同意権や代理権を付けて支援する仕組みです。

つまり、相続の場面では、単に「認知症の診断名があるかどうか」ではなく、その方が遺産分割の内容を理解して判断できる状態かどうかが重要になります。

成年後見などの検討が必要になりやすいケース


相続の現場では、次のような場面で成年後見などの検討が必要になりやすいです。

1.遺産分割協議で「誰が何を相続するか」を決めたいとき

たとえば、次のような内容を決める場合です。

  • 実家は長男が相続する
  • 預貯金は兄弟で分ける
  • 不動産は売却して現金で分ける

このような場合は、相続人全員が有効に協議へ参加できることが前提になります。相続人の一人が十分に判断能力を有していないのに協議を進めると、後でトラブルになるおそれがあります。

2.不動産を単独名義にしたいとき

不動産を「配偶者一人の名義にしたい」「長男だけが相続したい」という場合、多くのケースで遺産分割協議が必要です。

相続人の中に認知症の方がいる場合、この段階で手続きが止まりやすくなります。

3.預貯金の解約や売却もまとめて進めたいとき

相続は、不動産の名義変更だけで終わるわけではありません。預貯金の解約、証券口座の名義変更、場合によっては相続不動産の売却まで含めて考える必要があります。

逆に、すぐに遺産分割協議をしなくてもよいケースもあります


相続人に認知症の方がいると、「何も進められない」と感じてしまう方もいらっしゃいます。しかし、実際には、先にできることがあるケースも少なくありません。

遺言書があり、取得者が決まっているケース

被相続人が有効な遺言書を残していて、不動産を誰が相続するかが明確に定められている場合は、遺産分割協議をしなくても進められることがあります。

法定相続分でいったん登記するケース

今すぐ単独名義にできなくても、相続登記の期限を意識して、まずは法定相続分での登記を検討する余地がある場合があります。

相続人申告登記を使って期限リスクを止めるケース

遺産分割がまとまらない、戸籍収集に時間がかかる、相続人が多いなどの事情で、期限までに通常の相続登記が難しい場合には、相続人申告登記の検討余地があります。

大切なのは「今、何を先に進めるべきか」を切り分けることです

「成年後見が必要か」だけを考えるのではなく、今の状況で先に動ける手続きがあるのかを整理することが、時間と手間のロスを防ぐポイントになります。

相続人に認知症の方がいる場合の、実務上の進め方


STEP1

戸籍を集めて、相続人を確定する

まずは被相続人の戸籍を集め、相続人が誰なのかを確定します。相続登記の必要書類の中でも、戸籍収集は最初の大きなハードルになりやすい部分です。

STEP2

遺言書の有無と、不動産の状況を確認する

次に、遺言書があるか、不動産がどのような名義になっているかを確認します。有効で適切な遺言書があれば、そもそも遺産分割協議が不要な場合もあります。

STEP3

ご本人の判断能力の状況を確認する

認知症といっても程度はさまざまです。そのため、遺産分割の意味や内容を理解して判断できる状態かどうかを確認し、必要であれば医師の診断書なども踏まえて、後見・保佐・補助の検討へ進みます。

STEP4

必要に応じて、家庭裁判所へ申立てをする

本人住所地が川口市・蕨市・戸田市であれば、申立先はさいたま家庭裁判所本庁です。管轄は、原則として本人の住所地で決まります。

ただし、いったん成年後見制度を利用すると途中でやめることはできません。本人が生きている限り制度利用が続くため、そもそも後見制度を利用する必要があるのかは慎重に検討する必要があります。

STEP5

相続登記やその他の相続手続きへ進む

成年後見等の手続きが必要なケースでは、選任後に遺産分割協議や相続登記へ進みます。一方で、遺言書や法定相続分で対応できるケースでは、成年後見の申立て前に進められる部分もあります。

司法書士のワンポイントアドバイス

相続人に認知症の方がいる場合は、「後見を申し立てれば全部解決」と考えるのではなく、次の3点を最初に整理することが大切です。

  • そもそも遺産分割協議が必要なのか
  • 後見制度を利用する必要性があるのか
  • 相続登記の期限対応を先に考えるべきか

特に、実家の売却予定があるケースや、相続人が多いケースでは、早めに全体像を確認しておくと、その後の手続きがかなりスムーズになります。

よくある誤解と注意点


家族なら、代わりに署名押印できるわけではありません

ご本人の権利に関わる以上、家族だから当然に代わりができるわけではありません。この点をあいまいにしたまま進めると、遺産分割協議書や登記の手続きで大きな問題になるおそれがあります。

成年後見は、「今回の相続だけ」の制度ではありません

後見人は、申立てのきっかけとなった遺産分割協議だけをすれば業務終了ではありません。その後の本人のために広く活動する義務を負います。また、原則として、本人の持分が法定相続分を割り込むような遺産分割協議はできません。

家族を候補者に書けば、そのまま選ばれるとは限りません

申立てをするときに家族を候補者として記載しても、裁判所がそのまま選任するとは限りません。裁判所が自らの判断で、弁護士や司法書士を選任することもあります。

こんな場合は、早めに司法書士へ相談したいケースです


  • 川口市内の実家や土地があり、相続登記の期限が気になる
  • 相続人の一人が認知症で、遺産分割協議を進めてよいのか分からない
  • 成年後見が必要か、まずは法定相続分での登記がよいか判断がつかない
  • 戸籍収集、必要書類、法務局対応までまとめて進めたい

川口市の相続Q&A


Q1.相続人に認知症の方がいても、相続登記はできますか?

はい、できます。ただし、遺産分割協議が必要な形で進めるのか、法定相続分でいったん登記するのか、相続人申告登記を使うのかで進め方が変わります。相続登記の期限を意識しつつ、今どの方法を取るべきかを整理することが大切です。

Q2.認知症なら、必ず成年後見が必要ですか?

必ずではありません。実際には、判断能力の程度に応じて、後見・保佐・補助のどれが適切かが検討されます。

Q3.川口市・蕨市・戸田市の人は、どこの家庭裁判所ですか?

本人住所地が川口市・蕨市・戸田市であれば、原則としてさいたま家庭裁判所本庁です。

Q4.認知症の相続人がいると、かなり長引きますか?

ケースによりますが、通常の相続よりも確認事項が増えやすいのは事実です。特に、遺産分割協議が必要かどうかの判断や、戸籍収集、家庭裁判所の手続きが絡む場合は、早めの着手が重要です。

まとめ|相続人に認知症の方がいる相続は、最初の整理が何より大切です


相続人に認知症の方がいる場合、「とりあえず家族で話をまとめてしまおう」「まずハンコだけもらおう」という進め方はおすすめできません。

大切なのは、次のポイントを整理することです。

  • 遺産分割協議が今すぐ必要か
  • 先にできる相続登記の方法はあるか
  • 成年後見等の申立てが必要か
  • どの順番で動けば、手戻りが少ないか

特に、川口市・蕨市・戸田市で不動産相続を伴う場合は、相続登記の期限と、さいたま家庭裁判所本庁の管轄を踏まえて、早めに全体像を把握することが重要です。

「相続人に認知症の家族がいて、このまま進めてよいのか分からない」

「実家の名義変更をどう進めればよいか迷っている」

そのような場合は、無理にご自身だけで判断せず、まずは状況整理から相談することが大切です。

斉藤 恭生

司法書士・行政書士 斉藤 恭生(さいとう やすお)
斉藤司法書士事務所 代表

【ご挨拶】

司法書士という仕事は、ミスが許されないため常に緻密な確認が求められ、緊張する場面に立ち会うことも少なくありません。だからこそ日々の仕事を大切に、誠実に、そして常に新鮮な気持ちを持って取り組んでいます。 川口市を中心に、周辺地域の皆様とのコミュニケーションを大切にし、その信頼にお応えしたいと考えています。相続に関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

【経歴】

  • 埼玉県立蕨高等学校 卒業
  • 法政大学法学部法律学科 卒業
  • 2001年 行政書士試験合格
  • 2002年 司法書士試験合格
  • 都内法律事務所内での開業を経て、2006年に父の事務所と合流し、川口市に事務所を移転。

【資格・所属】

  • 司法書士(埼玉司法書士会 登録番号 第1056号)
  • 簡裁訴訟代理関係業務認定(認定番号 第201041号)
  • 行政書士(埼玉行政書士会 登録番号 第02132747号)

斉藤司法書士事務所

〒332-0032 埼玉県川口市中青木2丁目22番3号
(川口簡易裁判所の横、川口登記所の前)

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