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2026/02/18
相続放棄
【司法書士が解説】相続放棄で「兄弟姉妹の配偶者」はどうなる?義理の関係と相続権の真実

「亡くなった夫の兄(義兄)に多額の借金があった」

「疎遠だった妻の姉が亡くなり、手続きが回ってきた」


そんなとき、多くの方が不安に思うのが

「自分(配偶者)も相続放棄をしないといけないのか?」という点です。

結論

原則として、兄弟姉妹の配偶者(義理の関係)は法定相続人になりません。


したがって、あなた自身が相続放棄の申述をする必要は通常ありません。

ただし、実務では「代襲相続の誤解」や「遺産に触れてしまうリスク」など、勘違いしやすい落とし穴がいくつかあります。この記事では、相続放棄における「兄弟姉妹の配偶者」の立場を、司法書士の視点で整理します。

 

1. 相続権を持つのは誰か(法定相続人の順位)

まずは民法上の法定相続の基本ルールを確認しましょう。

重要なのは、「配偶者」として相続権があるのは、被相続人(亡くなった方)本人の夫または妻のみという点です。

 

区分 法定相続 ポイント
配偶者 常に相続人 ここでいう配偶者は「被相続人の配偶者」
第1順位 子(直系卑属) 子が死亡していれば孫が代襲
第2順位 父母(直系尊属) 父母が死亡なら祖父母へ
第3順位 兄弟姉妹 兄弟姉妹が死亡なら甥・姪が代襲
※スマホでは横にスクロールできます

義理の兄弟姉妹は「法定相続人」ではない

夫の兄、妻の妹といった義理の兄弟姉妹は、法律上は「親族(血族の配偶者)」にあたりますが、法定相続人には含まれません。


したがって、義理の兄弟姉妹が亡くなっても、あなたに直接相続権が回ってくることはなく、原則として相続放棄の手続きをする必要もありません。

2. 配偶者が「相続放棄」を検討すべき唯一のケース

原則として無関係な「兄弟姉妹の配偶者」ですが、例外的に間接的な影響を受ける場面があります。それは、あなたの配偶者(夫・妻)が相続人として相続放棄をする/または既に亡くなっているといったケースです。

代襲相続(だいしゅうそうぞく)の誤解

よくある誤解が次のパターンです。

「夫が先に亡くなった。その後、夫の兄弟が亡くなった。夫の代わりに妻である私が相続人になるのでは?」


しかし、兄弟姉妹の代襲相続が認められるのは、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合に、その子(甥・姪)が引き継ぐときのみです。兄弟姉妹の配偶者(あなた)が、代襲して相続人になることはありません。

チェックポイント:あなたが「兄弟姉妹の配偶者」である限り、どのような順番で亡くなったとしても、あなたがその兄弟姉妹の相続人になることは法的にありません。

3. 注意が必要な実務上のリスク(勘違いしやすい落とし穴)

「私は相続人じゃないから安心」と思っていても、次の2つの局面では巻き込まれやすいので注意が必要です。

① 相続人である夫(妻)が相続放棄をする場合

あなたの配偶者が、自身の兄弟の借金などを理由に相続放棄を検討することがあります。
このとき注意すべきは、

 

・亡くなった方の遺品(通帳・カード・鍵・不動産関連書類など)を、家族が不用意に処分する

・遺産を自分たちの生活費に充てる


といった行為です。
これが相続人(配偶者)の行為と評価され、単純承認(相続を認めた)と判断されるリスクがあります。

 

相続放棄を完遂するには、家族全員で「遺産に手を付けない」ことを徹底する必要があります。

② 債権者からの「間違い連絡・督促」

債権者は戸籍等を追って相続人を特定しますが、稀に「連絡が取れる親族」として、相続人ではない配偶者に連絡が来ることがあります。

この場合、あなたに法的な支払い義務はありません。不安を煽られても、まずは落ち着いて、

 

・「私は相続人ではありません」

・「相続人(夫/妻)に連絡してください」

 

毅然と伝えることが大切です。

 

4. 司法書士からのアドバイス(家族を守るための「セット」の視点)

「自分には関係ない」と切り捨てるのではなく、家計を守るために次の視点を持つと、結果的に被害を抑えられます。

夫(妻)の相続放棄をサポートする

兄弟姉妹が相続人になるケースでは、戸籍の収集が複雑になりやすい傾向があります(例:亡くなった兄弟の両親の出生から死亡までの戸籍等が必要になる場面)。配偶者として、書類収集の段取り専門家への相談をサポートすることが、家庭の財産を守ることにつながります。

「甥・姪」への影響を確認する

夫(妻)が相続放棄をすると、相続順位が移り、状況によっては甥・姪(代襲相続人)が関係する可能性があります。一方で、あなたのお子さんが相続人になるかどうかは、家系(誰が被相続人で、誰が先に亡くなっているか)で結論が変わります。混乱しやすいので、図にして整理するのがおすすめです。

 

まとめ

・兄弟姉妹の相続において、その配偶者(あなた)が相続人になることは原則ありません。

・したがって、あなた自身が借金を背負ったり、相続放棄の申述をしたりする必要は通常ありません。

・ただし、相続人である夫(妻)が相続放棄をする場合は、家族が遺産に触れてしまうなどの実務リスクに注意が必要です。

・督促が来ても、相続人でなければ支払い義務はありません(まずは相続人の特定を)。

 

不安が強い方へ

「誰が相続人なのか確信が持てない」「督促が来て怖い」「戸籍が複雑で進まない」

この段階で一度、司法書士に相談すると早いです。

当事務所では、複雑な家系図の調査から相続放棄の申述までトータルでサポートしています。

初回相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。

斉藤 恭生

司法書士・行政書士 斉藤 恭生(さいとう やすお)
斉藤司法書士事務所 代表

【ご挨拶】

司法書士という仕事は、ミスが許されないため常に緻密な確認が求められ、緊張する場面に立ち会うことも少なくありません。だからこそ日々の仕事を大切に、誠実に、そして常に新鮮な気持ちを持って取り組んでいます。 川口市を中心に、周辺地域の皆様とのコミュニケーションを大切にし、その信頼にお応えしたいと考えています。相続に関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

【経歴】

  • 埼玉県立蕨高等学校 卒業
  • 法政大学法学部法律学科 卒業
  • 2001年 行政書士試験合格
  • 2002年 司法書士試験合格
  • 都内法律事務所内での開業を経て、2006年に父の事務所と合流し、川口市に事務所を移転。

【資格・所属】

  • 司法書士(埼玉司法書士会 登録番号 第1056号)
  • 簡裁訴訟代理関係業務認定(認定番号 第201041号)
  • 行政書士(埼玉行政書士会 登録番号 第02132747号)

斉藤司法書士事務所

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(川口簡易裁判所の横、川口登記所の前)

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