
まず1分で自己診断:あなたの実家売却、登記で止まる可能性は?
次のうち2つ以上当てはまる場合、
売却の前に「名義・権利関係の整理」が必要になる可能性が高いです。
・名義が親(故人)のままになっている
・相続人が3人以上(兄弟姉妹がいる、前の相続が残っていそう)
・兄弟姉妹の意見が揃っていない/疎遠な相続人がいる
・ローンは完済したが、抵当権が残っていそう
・登記上の住所が昔のまま(引っ越し歴がある)/氏名が変わっている(改姓)
・祖父母の代の名義のままかもしれない
ここで整理できていないと、不動産会社へ相談して売り出しを始めても、売買契約〜決済のどこかで止まりやすいです。
目次
結論:名義が親のままだと、原則「売れません」

不動産売買では原則として「登記名義人=売主」です。
名義が親(故人)のままだと、買主が見つかっても、決済(所有権移転登記)段階で手続きが詰まり、売却が成立しにくい状態になります。
先に確認:相続登記義務化の制度整理はこちら
相続登記が終わるまで“不動産会社に相談してはいけない”?

相談自体はOKです。
相場や売却方針の相談は早めに動けます。
ただし実務では、相続登記が未了のまま売却活動を進めると、
・申込が入った後に「名義が動かせず」スケジュールが崩れる
・買主の住宅ローン審査・契約日程に影響が出る
・関係者が増えて調整が難航する(不動産会社・買主・金融機関)
となりやすいです。
ベストな進め方は、
「不動産会社で相場確認」+「司法書士に依頼して名義・権利関係の整理を同時進行」
です。売却の“勝負どころ”で止まらないよう、先回りして整えます。
川口の実家売却で“登記で詰む”典型パターン5つ

川口は都内近接で売却検討が早く進む一方、名義が昔のまま残っている実家も多く、売却の相談が先に進んでから登記の問題が見つかることがあります(傾向)。
1)相続人が多い(前の相続が未処理)
祖父母の代から名義が動いていない、戸籍を取ったら相続人が想定より多い、など。
相続人が増えるほど、連絡・書類回収・合意形成の難易度が上がります。
放置のデメリットを具体例で知りたい方はこちら
⇒放置された土地をめぐる典型的なトラブル事例と相続登記の重要性
2)共有にしてしまい、売却の意思決定ができない
共有名義の場合、売却には原則として共有者全員の合意が必要です。
「一人でも反対・音信不通がいる」と今後の手続きを進めることができないため、売る前提なら共有は避けた方が良いかもしれません。
3)抵当権が残っている(完済済みでも抹消未了)
ローン完済=抵当権が自動で消える、ではありません。司法書士に依頼して抵当権の抹消登記をする必要があります。抹消登記が未了だと、そのまま売りに出すことはできません。完済時に金融機関から返却される書類を紛失していると、抹消登記完了まで数か月かかることもあります。
ローン絡みの基本整理はこちら
4)登記名義人の住所・氏名が古い(住所移転・改姓)
登記の住所が何十年も前のまま、婚姻で氏が変わっている、など。
決済直前に指摘されやすいので、事前に変更登記を済ませておく方が無難です。
5)遺産分割がまとまらない/連絡がつかない相続人がいる
相続人間で意見が割れる、署名押印が揃わない。
この状態では相続登記が進まず、結果として売却も止まります。
調停に進んだ場合の書類整理はこちら
ロードマップ:相続した実家を売る前にやること

STEP1 相続関係を確定する(戸籍収集)
まず行うのは相続人の確定です。故人の出生から死亡まで連続する戸籍をたどります。
ここが固まらないと、遺産分割も登記も先へ進めません。
STEP2 「誰が取得するか」を決める(売却前提なら“共有回避”が重要)
売却が目的なら、「売却手続きがスムーズになる名義」に整えることが重要です。
共有は売却合意が難しくなることがあるため、状況に応じて整理します。
遺言の有無で手続きが変わるケースはこちら
STEP3 遺産分割協議書を整える(ミスが多いポイント)
不動産がある場合、登記簿どおりに不動産表示を正確に記載し、署名押印(実印)+印鑑証明書を揃えるのが基本です。
よくある落とし穴
・不動産表示の記載ミスで登記ができない
・署名押印が揃わず時間だけが過ぎる
・合意内容が曖昧で、後から揉める火種になる
自作の注意点を整理したい方はこちら
⇒〖川口市民向け〗遺産分割協議書は自分で作れる?(法務局向けの書き方の注意点)
STEP4 相続登記(名義変更)を行う
遺産分割が整ったら相続登記へ。
名義が相続人に変更されてはじめて、売却のスタートラインに立てます。
必要書類を先に把握したい方はこちら
STEP5 付随する登記を片付ける(決済直前で止まりやすい)
代表例は以下です。
・抵当権抹消登記(完済していても必要)
・住所変更登記(引っ越しが登記に反映されていない)
・氏名変更登記(改姓が反映されていない)
・建物滅失登記(解体済みの場合)
売却が具体化してから発覚すると調整が増えるため、可能な限り前倒しで整えます。
STEP6 不動産会社と売却へ(決済当日は司法書士が登記を担当)
媒介契約締結→売買契約→決済へ進みます。決済日には登記手続きが伴うため、司法書士が関与します。
【相談前チェックリスト】これがあると手続きが早い(揃ってなくてもOK)

物件に関する資料
・固定資産税の納税通知書(不動産特定に有効)
・登記識別情報(権利証)※あれば
・物件の所在地・地番が分かる資料
ローン・担保関連(心当たりがある場合)
・完済の記録(金融機関名・支店名が分かるもの)
・抵当権が残っていそうな心当たり
相続関係のメモ(簡単でOK)
・相続人になりそうな方(配偶者・子・兄弟姉妹など)
・疎遠な相続人がいるか/連絡が取れるか
・遺言書の有無
期間と費用の目安

期間の目安
相続登記は「戸籍収集→合意→書類回収→登記申請」という工程があるため幅があります。
・相続人が少なく、合意がすでに整っている:目安は数週間〜1か月程度
・相続人が多い/疎遠な相続人がいる/前の相続が絡む:目安は1〜3か月以上になることも
売却の申込が入ってから慌てないよう、できれば「売却活動と同時」より、「売却前」に着手するのが安全です。
費用の考え方
費用は概ね次の構成です。
・登録免許税などの実費(法定費用)
・戸籍等の取得費用
・司法書士報酬(相続関係の複雑さ・付随登記の有無で変動)
「固定資産税の納税通知書」があると、登録免許税の概算が立てやすく、見積もりが早くなります。
よくある質問(FAQ)

Q1. 相続登記が終わる前に、売買契約を結んでもいいですか?
理屈上は可能なケースもありますが、実務では相続登記未了だと売主が確定できないので、契約できない可能性があります。相続登記を先に進める方が安全です。
Q2. 相続登記と売却、どっちが先ですか?
相続登記(名義変更)が先です。
Q3. 共有名義でも売れますか?誰の同意が必要ですか?
共有の場合、共有者全員の意思の合致が必要です。反対者・連絡不能者がいると売却できません。
Q4. 祖父母の代の名義のままです。なぜ相続人が増えるのですか?
相続を放置すると、相続が重なり(数次相続)、相続人が枝分かれして増えていくことがあります。まず戸籍で相続関係を確定するのが第一歩です。
Q5. 借金が不安です。売却の話の前に確認すべきことは?
相続放棄など、法的な選択肢が関係する場合があります。期限が問題になることもあるため、早めの相談を推奨します。
【ケース別】司法書士へのご相談事例
①「名義が親のまま」:相続登記(名義変更)から整理したい
まずは戸籍で相続人を確定し、名義を整えるところからご提案します。
ご相談時にあると早いもの:固定資産税の納税通知書、相続人のメモ
②「抵当権が残っている」:完済済みでも抹消で止まりそう
金融機関書類の有無を確認し、抹消登記の段取りを整理します。
ご相談時にあると早いもの:完済の記録、金融機関名・支店名、登記事項証明書
③「相続人が多い/疎遠」:まず状況整理だけしたい
連絡や合意形成の現実を踏まえ、手続きの順番と必要書類を整理します。
ご相談時にあると早いもの:家系図レベルの相続人メモ(分かる範囲でOK)
売却のスタートラインは「相続関係の確定」と「名義・権利関係の整備」

川口の実家売却は、「買い手探し」の前に、
名義・権利関係が整っていないと止まりやすいのが実務です。
・名義が親のまま
・相続人が多い/疎遠な相続人がいる
・共有になっている/なりそう
・抵当権が残っている
・住所・氏名が古い
・前の相続が未処理の可能性がある
このような場合は、売却計画より先に、
早めに司法書士に相談することが、結果的に最短ルートになります。