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2025/12/19
相続
【川口市民向け】遺産分割協議書は自分で作れる?国税庁のひな形を使うと危険な理由と銀行手続き完全ガイド

遺産分割協議書 ひな形」──インターネットでこう検索して、一番上に出てきたWordやPDFを、とりあえずダウンロードしていませんか?


ちょっと待ってください。


そのひな形、実は「相続税の申告用」かもしれません。

相続の現場では、せっかくご自身で作成された遺産分割協議書が

「不動産の表記が違うので登記できません」
「この書き方では銀行の解約に応じられません」


と指摘され、作り直しになるケースが後を絶ちません。

この記事では、川口市で数多くの相続案件をサポートしてきた斉藤司法書士事務所が、

・「国税庁」と「法務局」のひな形の決定的な違い

埼玉りそな銀行 川口支店や川口信用金庫、青木信用金庫 本店など、地元金融機関


でもスムーズに手続きを進めるための作成ポイント

を、できるだけ分かりやすく解説します。


「書き直して、もう一度相続人全員にお願いして実印をもらい直す」という、一番大変な事態を避けるために、ぜひ最後までお読みください。

結論:自分で作ることは可能だが「ここ」を間違えると危険

最初に結論をお伝えすると

遺産分割協議書は、ご自身で作成することも法律上は可能です。

ただし、

1.提出先ごとに必要な書き方が違うこと
2.不動産の記載ミス(住所と地番の取り違えなど)
3.相続人の中に認知症など判断能力に不安のある方がいる場合


これらに当てはまると、手続きが止まる・無効になる・やり直しになるなど、大きなリスクが生じます。そうしたリスクを避けながら、「自分で作る」か「専門家に任せる」かを判断するために、この記事をお役立てください。

遺産分割協議書とは?いつ必要で、どんなときに作成するのか

まずは、「そもそも遺産分割協議書とは何か」を簡単に整理しておきましょう。

遺産分割協議書とは

相続人全員で話し合い、「どの財産を、誰が、どのような割合で相続するか」を決めた内容を、書面にまとめたものです。相続人全員の署名・実印押印が必要になります。

どんなときに必要になる?

・不動産(自宅・土地・アパートなど)の名義変更(相続登記)をするとき
・預貯金の解約・払戻し、名義変更をするとき
・株式や投資信託などの名義変更をするとき
・相続税の申告書を作成するとき など


「相続人が1人だけ」の場合や、法定相続の割合で相続する場合は不要なこともありますが、複数人で遺産を分ける場合には、ほぼ必ず必要になる、大切な書類です。

【要注意】無料ダウンロードのひな形、法務局や銀行で「使えない」かもしれません

「遺産分割協議書なんて、誰が何を相続するか書いてあればいいんでしょ?」

そう思われがちですが、提出先(法務局・銀行・税務署)によって、求められる「記載の細かさ」がまったく違うのが実態です。

「国税庁」のひな形と「法務局」のひな形の違い

インターネット検索で上位に表示されやすいのは、国税庁(税務署)が提供しているひな形です。

ただし、これはあくまで「相続税を計算するため」の書式であり、財産の特定が簡易的になっていることが少なくありません。

この書式をそのまま、

法務局(例:さいたま地方法務局 川口出張所)への不動産名義変更(相続登記)に使うと、不備を指摘されるリスクが高くなります。

特に大きな違いは、不動産の書き方です。

×(NG例1) 税務署向けの書き方

『川口市幸町一丁目2番3号の土地と建物』
→ 普段使っている「住所(住居表示)」での記載では、登記できない可能性があります。

◎ 法務局向けの書き方(OK例)

『所在 川口市幸町一丁目』
『地番 2番3』
『地目 宅地』
『地積 100.05㎡』
→ 登記簿(登記事項証明書)に載っている「所在・地番・家屋番号・地積」での正確な記載が必要です。

Check point

法務局は、「登記簿と一言一句合っているか」をチェックします。

住所(住居表示)で書いてしまうと、

・「その住所に該当する敷地は、複数の土地で構成されている場合がある」
・「そもそも、住所と住居表示は合致しないものである」
・「マンションの場合は、敷地権の表示もあり、記載方法が複雑である」


などの理由で、申請が受理されなかったり、不十分な登記になってしまうのです。

×(NG例2)土地持分の記載漏れ

一戸建ての建物の場合、建物が建っている敷地の外に、私道やゴミ置き場の「持分」が存在する可能性があります。不動産を住所で特定してしまうと、これらを見逃してしまうリスクがあります。これらを書き忘れてしまうと、再分割が必要になるかもしれません。

・銀行(埼玉りそな・川口信用金庫など)が求める「厳格な記載ルール」

川口市民の皆さまが多く利用されている埼玉りそな銀行 川口支店、川口信用金庫、青木信用金庫 本店などの金融機関も、遺産分割協議書の内容については非常に厳格です。

特に多いのが、預貯金の書き方でのトラブルです。

× 曖昧な書き方

『〇〇銀行の預金すべて』
→ これで対応してくれる銀行もありますが、最近は「支店名や口座番号が特定されていないと解約できません」 と言われるケースが増えています。

◎ 確実な書き方

『埼玉りそな銀行 川口支店 普通預金 口座番号1234567』
→ ここまで特定しておくと、窓口での手続きがスムーズに進みます。また、金融機関ごとに独自の書式への記入を求められることも少なくありません。


「苦労して協議書を作ったのに、銀行で『こちらの書類にも実印をお願いします』と言われ、結局もう一度全員のハンコを集めることになった……」

こうした徒労を避けるためにも、事前に必要書類や書き方を確認しておくことが重要です。

【自作派向け】遺産分割協議書のチェックポイント

自分で作ってみたい方のために、基本的なチェックポイントをまとめます。

※あくまで一般的な目安であり、個別の事情によって異なる場合があります。

遺産分割協議書 自作チェックリスト

  • 不動産は「住所」ではなく、登記簿どおりの「所在・地番・地目・地積(土地)」「所在・家屋番号・種類・床面積(家屋)」で書いている

  • 預貯金は「銀行名・支店名・口座番号」まで特定して書いている

  • 相続人全員の実印と、印鑑証明書を用意している(金融機関により有効期限あり)

  • 「本協議書に記載のない財産が見つかった場合」の扱いを決める条文を入れている

  • 相続人の中に、認知症など判断能力に不安のある方がいないか確認している

ひとつでも不安があれば、一度専門家に内容を見せてから提出されることをおすすめします。

Check point

「うちの場合、このまま自分で進めても大丈夫なのかな……」と不安な方は、一度無料相談でチェックだけでも受けてみませんか。

作成途中の遺産分割協議書のドラフトをお持ちいただければ、リスクの有無を整理してお伝えします

遺産分割協議書を自分で作成するときの3つのリスク

ひな形選びだけでなく、「ご自身で作成する」という点にも、いくつか見落としがちな落とし穴があります。

1.実印・印鑑証明書の「期限切れ」や「不鮮明」

遺産分割協議書には、相続人全員の実印の押印と印鑑証明書の添付が必須です。ところが、次のようなミスが頻発します。

・印影が薄い・かすれている

→ 1箇所でも不鮮明だと、銀行や法務局で受理されないことがあります。

・印鑑証明書の有効期限切れ

→銀行などの相続手続きでは、発行から3ヶ月以内(長くても6ヶ月以内)の印鑑証明書を求められることが多く、期限を過ぎると取り直しを指示されるケースがあります。

・捨印(訂正用の印)がない

→ わずかな誤字脱字を修正したいだけなのに、捨印がないと、訂正のたびに全員の訂正印が必要になってしまいます。


結果として、再び親族全員を回ることになりかねません。

2.後から「借金」や「新たな財産」が見つかった時の条文漏れ

「タンス預金が出てきた」

「固定資産税の納付書を見たら、協議書に書いていない私道(共有持分)が載っていた」


このように、遺産分割協議書を作ったあとで財産が見つかることは、珍しいことではありません。


このとき、協議書に

「本協議書に記載のない財産が見つかった場合は、相続人〇〇が取得する」

といった包括条項が入っていないと、その財産のためだけにもう一度遺産分割協議書を作成し、全員の実印をもらい直す必要が出てきます。


最初から、「漏れている財産が見つかったときの扱い」まで決めておくことが大切です。

3.相続人が一人でも認知症だと「無効」になることも

これは書き方のテクニック以前の問題ですが、相続人の中に認知症などで、

「自分の行為の意味を理解できるだけの判断能力がない方」がいらっしゃる場合、その方が押した実印は法的に無効と判断される可能性があります。

無理にハンコを押してもらって手続きを進めてしまうと、あとから「その協議は無効だ」と争われ、無効確認訴訟など大きなトラブルに発展する恐れもあります。

このようなケースでは、「成年後見制度」等の利用を検討する必要があるため、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。

事例:川口市在住Aさんのケース

イメージしやすいように、実際によくあるケースをご紹介します(内容はプライバシー保護のために一部変更しています)。

例)川口市在住Aさんの場合

Aさんはインターネットで見つけた無料のひな形を使い、ご自身で遺産分割協議書を作成しました。

法務局へ相続登記を申請したところ、

・不動産の表示が登記簿どおりではない
・相続人が一人欠けている


という理由で、いったん申請を持ち帰ることになってしまいました。


その後、当事務所にご相談いただき、登記事項証明書を取り直して不動産の記載を修正し、欠けていた相続人の署名と印鑑証明書も再取得。協議書を作り直して再申請した結果、無事に相続登記を完了することができました。

Aさんからは、
「最初から相談していれば、親戚にもう一度ハンコをもらい直す手間も減らせたと思います」というお声をいただきました。

自分で作成したほうがよいケース/専門家へ依頼したほうがよいケース

すべてのケースで専門家に依頼しなければならないわけではありません。

目安として、以下のように考えていただくと分かりやすいと思います。

自分で作成してもよいケースの一例

  • 不動産が自宅1件のみで、財産の内容がシンプル

  • 相続人同士の関係が良好で、話し合いがスムーズに進んでいる

  • 相続人全員が近くに住んでおり、書類のやりとりがしやすい

  • 認知症など、判断能力に不安のある相続人がいない

  • 戸籍の取得や書類作成にある程度慣れていて、「自分でやってみたい」というお気持ちが強い

専門家への依頼をおすすめしたいケースの一例

  • 不動産や預貯金、株式など、財産の種類や数が多い

  • 相続人が遠方や海外に住んでいて、書類のやりとりに時間がかかりそう

  • 相続人同士の関係が複雑で、「今は仲が良いが、あとで揉めないか心配」という不安がある

  • 相続人の中に、高齢で判断能力に不安のある方がいる

  • 再婚・養子・前妻(夫)とのお子さんがいるなど、相続関係が複雑

  • お仕事が忙しく、平日に役所や銀行へ行く時間が取りにくい

  • やはり自分で作成するには不安が残る

ご自身だけで判断しにくい場合は、「自分はどちらのパターンに当てはまりそうか」を確認するためだけでも、一度ご相談いただいて構いません。

川口市で司法書士に依頼するメリットと費用の目安

ここまでお読みいただき、

「思ったより複雑そうだな……」
「間違ってやり直しになるのは避けたい」


と感じられた方も多いのではないでしょうか。

そんなときは、川口市の専門家である司法書士に相談・依頼するという選択肢も、ぜひ検討してみてください。

戸籍収集から登記、銀行解約まで丸投げできる「時間的メリット」

遺産分割協議書を作る前提として、まずは
「相続人が誰なのかを確定する(出生から亡くなるまでの戸籍をすべて集める)」必要があります。

川口市役所での取得はもちろん、本籍地が遠方にある場合は郵送請求も必要になり、慣れていない方だと戸籍の収集だけで数週間〜1ヶ月以上かかることもあります。

司法書士にご依頼いただいた場合、たとえば次のような作業をワンストップで代行できます。

・戸籍収集・相続人の確定(役所とのやりとりを代行)
・財産調査(名寄帳の取得、残高証明書の請求など)
・遺産分割協議書の作成(法務局・銀行・税務署すべてに対応できる内容)
・不動産の名義変更(相続登記)
・預貯金の解約・払戻し手続き


ご自身で行う場合に比べて、平日昼間に何度も銀行や法務局へ足を運ぶ負担を大きく減らすことができます。有給を取って平日に半日〜1日休むための調整や、その間に発生する仕事上のロスまで考えると、「専門家に任せてしまったほうが結果的に安く済んだ」とおっしゃる方も少なくありません。

斉藤司法書士事務所でご提供している相続サービス

当事務所では、遺産分割協議書の作成サポートだけでなく、

・相続登記(不動産の名義変更)
・相続放棄の申述手続き
・公正証書遺言の作成サポート
・預貯金・有価証券の相続手続き 

など相続に関する一連の手続きをトータルでお手伝いしています。

相続手続きのサービス内容と料金の目安

「相続手続きの料金表」ページをご覧ください。

「どの手続きからお願いすればいいか分からない」という段階でも、「このケースなら、この手続きとこのサービスが必要です」と整理してご案内いたします。

ご自身で作成した結果、

・何度も修正に出向く

親族間で「この書き方で本当に大丈夫なのか」と不安や不信感が生まれる


といった時間的・精神的な負担を考えると、専門家に依頼する費用対効果は高いと考えています。

川口市民の方におすすめの関連記事

遺産分割協議書だけでなく、相続全体の流れや遺言・相続放棄も合わせて知っておくと、判断がしやすくなります。

当事務所では、川口市民の方向けに次のような記事も公開しています。

>>川口市で相続手続きをお考えの方へ
>>川口市で遺言書の作成をお考えの方へ
>>お子さまがいないご夫婦の相続と遺言
>>相続放棄の3か月を過ぎてしまった場合の対応

 

「協議書の作成だけでなく、相続全体をどう考えればよいか知りたい」という方は、ぜひあわせてご覧ください。

 

遺産分割協議書に関するよくある質問(Q&A)

最後に、相談の多いご質問をいくつかご紹介します。

遺産分割協議書は手書きでも大丈夫ですか?

A. 手書きでもパソコン作成でも構いません。
ただし、手書きだと訂正が多くなりやすく、見た目も読みづらくなるため、実務ではパソコンで作成したものを印刷して署名・押印する方法が一般的です。

遺産分割協議書はコピーでも手続きに使えますか?

A. 法務局や銀行では、原本が必要になります。
コピーしか残っていないと、手続きできません。原本の保管には十分ご注意ください。

一度作った遺産分割協議書の内容を変更することはできますか?

A. 変更することは可能ですが、その場合は新しい内容の遺産分割協議書を作成し、相続人全員に実印を押印していただく必要があります。

川口市以外に不動産がある場合も、同じ協議書で大丈夫ですか?

A. はい、日本国内の不動産であれば、1通の遺産分割協議書にまとめて記載して構いません。ただし、それぞれの不動産について、登記簿どおりの不動産の表示で記載することが重要です。

遺言書がある場合でも、遺産分割協議書は必要ですか?

A. 遺言の内容によって異なります。
遺言で分け方が明確に指定されている場合は、遺産分割協議書が不要なこともありますが、遺言に書いていない財産や、遺言と違う分け方をしたい場合などには、改めて遺産分割協議書が必要になります。個別にご相談ください。

まとめ:まずは「料金ページの確認」+「無料相談」から

「自分で作ってみたけれど、この書き方で大丈夫か不安」

「銀行から説明を受けたが、正直よく分からない」

「費用の目安を知ったうえで、依頼するかどうか決めたい」


という方は、

1.まずは「相続手続きの料金表ページ」で、サービス内容と費用のイメージを持っていただき、

2.そのうえで気になる点があれば、無料相談を予約 していただくのがおすすめです。

無料相談の流れ

1.ご予約

お電話またはメール・お問い合わせフォームから、無料相談のご予約をお願いいたします。

2.ご来所・お持ちいただきたいもの

お手元の遺産分割協議書のドラフト(下書き)や、固定資産税の納付書、通帳など、分かる範囲で構いませんので資料をご持参ください。

ご相談いただいたからといって、必ずその場でご依頼いただく必要はありません。


「自分で進めるか、専門家に任せるかを決めるための材料が欲しい」という段階でも、遠慮なくご利用ください。遺産分割協議書は、ご家族の財産を確定し、将来のトラブルを防ぐための大切な書類です。


最初の一歩でつまずかないように、川口市の身近な専門家として、どうぞお気軽にご相談ください。

 

斉藤 恭生

司法書士・行政書士 斉藤 恭生(さいとう やすお)
斉藤司法書士事務所 代表

【ご挨拶】

司法書士という仕事は、ミスが許されないため常に緻密な確認が求められ、緊張する場面に立ち会うことも少なくありません。だからこそ日々の仕事を大切に、誠実に、そして常に新鮮な気持ちを持って取り組んでいます。 川口市を中心に、周辺地域の皆様とのコミュニケーションを大切にし、その信頼にお応えしたいと考えています。相続に関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

【経歴】

  • 埼玉県立蕨高等学校 卒業
  • 法政大学法学部法律学科 卒業
  • 2001年 行政書士試験合格
  • 2002年 司法書士試験合格
  • 都内法律事務所内での開業を経て、2006年に父の事務所と合流し、川口市に事務所を移転。

【資格・所属】

  • 司法書士(埼玉司法書士会 登録番号 第1056号)
  • 簡裁訴訟代理関係業務認定(認定番号 第201041号)
  • 行政書士(埼玉行政書士会 登録番号 第02132747号)

斉藤司法書士事務所

〒332-0032 埼玉県川口市中青木2丁目22番3号
(川口簡易裁判所の横、川口登記所の前)

相談は無料です。まずはお気軽にご相談ください。
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